インプラント治療をされた方が、介護が必要となったり寝たきりになったりした場合、しっかりと口腔ケアを続けることが難しくなります。インプラントは入れ歯と異なり簡単に外すことはできないので、介護者の方の負担が大きい可能性があります。
そのため、ご高齢の方がインプラント治療を検討している場合、介護が必要となったり、通院が困難になったりした場合の対策がされている歯科医院を選ぶことをおすすめします。例えば、訪問診療を行っている歯科医院であれば、歯科医師が定期的にご自宅まで診察にきてくれるので、クリーニングや不具合の早期発見が可能です。
入れ歯の場合は、お口の中のケアに加えて入れ歯の洗浄も必要となります。また、使っているうちに合わなくなることもあり、その都度調整が必要となりますので、そのたびに歯科医院の受診が必要となります。合わない入れ歯を使用し続けると、しっかりと噛むことができず脳の衰えや胃腸への負担の原因となります。また、入れ歯の洗浄が行き届かず、不衛生な状態で使用していると細菌が繁殖し、誤嚥性肺炎を引き起こしてしまう可能性があります。
さらに、部分入れ歯の場合は、丸ごと誤飲してしまうケースもあります。
このように、ご高齢の方や介護を必要とする方が入れ歯やインプラントを使用する場合には気を付けなければならない点がいくつかあります。
インプラントの場合は、手入れが難しいからと撤去を希望されても、ご高齢の方には撤去の手術の負担が大きく、難しい場合があります。そのため、将来のことも視野に入れてインプラント治療を受けるかどうか決定するようにしましょう。
ただし、ご自身の歯もインプラントも、手入れが必要である点は同じなので、将来的な不安についても歯科医師と相談し、ご自身に合った治療を受けましょう。
今回はインプラント治療と、入れ歯治療に関して、患者さまがご高齢になった場合のリスクについてご紹介しました。