セラミックで治療をすれば、健康保険内の材質に比べたら、長く使用することができます。ただ、一生使い続けられるものではありません。どのような材質であっても、年数の経過とともに少なからず劣化してしまいます。
見た目に関する劣化は主に2パターンあります。
ひとつ目は、変色してしまうケースです。
これは、ハイブリットセラミックという、セラミックと、レジンというプラスチックを混ぜたセラミックに起こります。
レジンは年数の経過とともに変色してしまうため、そのレジンを含むハイブリットセラミックも変色してしまいます。オールセラミックに比べると、費用を抑えることができますが、見た目の劣化があることも考慮して選択するようにしてください。
ふたつ目はセラミックがはがれてしまうケースです。
これは、メタルボンドという金属のフレームにセラミックを焼き付けたものに起こる劣化です。変色はしないものの、年数の経過や過度な負荷がかかることで、外側のセラミックがはがれ、内側の金属が露出してしまうことがあります。
こちらも、オールセラミックに比べると費用を抑えることができますが、選択される際はデメリットも踏まえてお考え下さい。
このように、セラミックの中には年数の経過に伴い見た目が劣化してしまうものもあります。
変色などの見た目の劣化が起こらないセラミックとして、オールセラミックやジルコニアが挙げられます。オールセラミックは100%セラミックを使用しており、審美性も高いことが特徴です。また、ジルコニアは人工ダイヤモンドを使用しており、耐久性や強度に優れています。こちらも、変色など目立った劣化が起こりません。
ただし、オールセラミックやジルコニアも人工物であり、永久に使用できるわけではありません。割れてしまったり欠けてしまったり、やり直しの必要が出てくる可能性はありますが、見た目の劣化は起こりませんので、材質を選択する際の参考にしてください。
また、もちろんオールセラミックやジルコニアを使用していても、歯周病などにより歯茎が下がると、支台となるご自身の歯とセラミックの境目が露出してしまうことがあります。
そういった、セラミックではない部分の見た目の変化は起こってしまいますので、定期的なケアをしっかり行いましょう。