今回は、インプラント治療の失敗を可能な限り避けるため、その原因についてご紹介します。
インプラント治療後のトラブルとしては、痛みや腫れが治まらない、痺れがある、上顎洞炎などが挙げられます。トラブルの内容に関しては以前の動画で詳しくご紹介しておりますので、併せてご覧ください。
このようなトラブルが起こる原因として、4つご紹介します。
ひとつ目は、治療前の検査・診察が不十分であることです。インプラント治療は、あごの骨にインプラントを埋め入れる外科手術を伴います。あごの骨には神経や血管などが走っており、インプラントの埋入位置は非常に重要です。レントゲンだけでなく、3次元的に捉えるCT撮影によって、正確なあごの骨の厚みや高さ、神経や血管の位置を把握する必要があります。
このような治療前の検査が不十分であると、インプラントを埋め入れる位置が適切な位置からずれてしまい、出血や痺れといったトラブルにつながりかねません。そのため、検査をしっかりとしないまま治療が進んでしまうような歯科医院には注意しましょう。
ふたつ目は、歯科医師の技術や知識が不足していることです。
インプラント治療は、むし歯の治療などに比べて、より高い専門性が求められる治療です。
また、インプラント治療は日々進化しており、常に最新の情報や技術を取り入れる姿勢が求められます。インプラントに対する知識や技術がないと、治療失敗のリスクが高くなります。治療前に、歯科医院のHPで、担当医の治療実績や所属学会、講習や研修への参加に関しているかなど、確認するようにしてください。また、口腔外科医としての経験を持った歯科医師がいるとより安心と言えます。
みっつ目は、衛生管理・設備が不十分であることです。
インプラント手術は外科手術であり、歯茎を切開して治療を行います。そのため、衛生管理が不十分だと、細菌感染を引き起こす可能性があり、術後の痛みや腫れといったトラブルに繋がります。
ガウンや手袋は使い捨てであること、治療に使う器具の滅菌・消毒の管理、手術室やそれに準ずる設備があるかどうかを確認しましょう。使用している滅菌機は、HPに掲載されている場合がありますので、ご確認ください。
よっつ目は、トラブル発生時の初期対応が不適切であることです。どうしても、インプラント治療は外科手術を伴いますので、万全な状態で治療を行っても、トラブルが発生してしまうことがあります。しかし、トラブルが発生しても、様子をみましょうと、痛みや痺れを抱えながら、何年も経過している患者さまも中にはいらっしゃいます。
治療を開始する前の段階で、治療中や治療後にどのようなトラブルが考えられるか、事前に予測しその場合の対応についても考えている歯科医師だと、何かあった場合にも迅速に対応していただけます。
治療計画を説明された際に、トラブルへの対応についても確認してみましょう。