なんらかの理由により歯を失ってしまった際に、入れ歯ではなく、インプラントを選択される方の中には、その審美性に惹かれた方も多くいらっしゃると思います。
ですが、治療後に、見た目が不自然になってしまい、失敗だと感じてしまう患者さまもいらっしゃいます。
今回は、インプラント治療後に審美面で問題が発生してしまう原因についてご紹介します。
ひとつ目は、骨が痩せてしまっている場合です。
その状態のままインプラントを埋め入れると、歯茎のラインの仕上がりが他の歯と合わず、不自然になってしまうことがあります。
また、あごの骨が十分にないからと、本来埋入すべき位置ではなく、骨が残っている部分に埋入してしまうことで、バランスが取れず不自然な見た目になってしまいます。不自然な見た目にならないために、あごの骨を増やす処置である骨造成や歯肉の移植などを行う方法があります。これによって、インプラントの審美性や耐久性があがります。
また、前歯のインプラントを行った際に、インプラントの接合部分が黒く透けて見えてしまうことがあります。
人工歯の部分は、セラミックなどで自然な色味にすることができますが、あごの骨に埋め入れるインプラント体や、インプラント体と人工歯をつなぐアバットメントはチタンなどの金属であることがほとんどです。汚れが溜まって炎症を起こしたりすることで、歯茎が下がると、金属のパーツが透けてしまうことがあります。
また、歯茎が大幅に下がり金属自体が露出してしまうこともあります。
インプラントの審美性は、やはり人工歯にセラミックを使用するところにあるかと思いますが、その人工歯の、形や色が不自然になってしまうことで、他の歯から浮いてしまうこともあります。
お口の中で見る色と、蛍光灯の下で見る色でも異なってきますし、患者さまの希望もあると思いますので、歯科医師としっかりと仕上がりのイメージを共有することが重要です。
では、インプラント治療を審美面で後悔しないために、気を付けた方がいい点もご紹介します。
まず、治療前の精密検査をしっかり行っていただけるか確認しましょう。インプラントを埋め入れる位置が最適でない場合、インプラントの見た目にも影響が出てしまいますので、事前の精密検査にて埋入位置の確認や、骨が足りない場合には、適切な骨造成や、歯肉の移植などを行ってもらえる歯科医院だと安心だと言えます。
また、人工歯などの補綴物に関する、専門知識を持つ歯科医師を選ぶことも重要です。
歯科医院のHPなどで、所属学会や経歴を確認することができますので、事前にご確認ください。
歯肉や骨はお口の状態によって徐々に変化し、見た目にも変化をもたらします。そのような変化を予測するには、治療経験が豊富であることが求められます。そのため、特に前歯など審美性が求められる部位への、インプラント治療をお考えの場合は、経験豊富な歯科医師を選択するようにしましょう。
今回は、インプラント治療後に審美面で問題が起きてしまう要因についてご紹介しました。