基本的には、歯を失った部分を治療せず放置することはお勧めしませんが、治療を行わない選択肢があるケースもございます。
例えば、今回失った歯と噛み合う歯をすでに失っている場合には、上下ともに7番目の歯がない状態でバランスが取れるため、治療を行わないケースもあります。
また、歯並びの問題で、もともと7番目の歯に噛み合う歯がない場合や、あごの骨がほとんど残っていない場合には治療をしないこともあります。どちらも、噛み合わせに影響がなく、お口の中全体のバランスにも影響しない場合に、治療しないケースがあります。また、7番目の歯がなくても噛む機能が十分に確保できると判断された場合や、お口を大きく開けることが難しかったり、強い嘔吐反射があったりして7番目の治療を行うこと自体が難しいと判断された場合にも、治療を行わないことがあります。
ただし、基本的には治療が必要となることが多いので、ご自身で治療の必要はないと自己判断せずに、必ず歯科医師の指示を仰ぎ、必要であれば治療を行うようにしてください。
では、治療が必要な場合に抜歯したまま放置してしまうと、どのようなリスクがあるのでしょうか。
噛み合う歯が残っている場合、歯を失ってできたスペースに向かって噛み合う歯が伸びてきてしまい、歯茎に当たったり噛み合わせに問題を引き起こしたりしてしまいます。特に、上の奥歯を失ってしまい、噛み合う下の奥歯が伸びてしまうと、上の残っている歯に当たってあごを前に出すことができなくなってしまいます。伸びてしまった歯を治療するには、神経を抜く必要が出る可能性もあり、その歯の寿命も縮めてしまいます。
その他にも、噛み合わせのバランスが崩れることで、顔がゆがんでしまうこともあります。7番目の歯でも、失ってしまったらまずは歯科医院でご相談いただき、必要に応じて治療を受けてくださいね。