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歯科治療で用いられる、歯肉の移植とは?

ご高齢の方の歯が長く見えることはありませんか?これは、重度の歯周病や不適切な歯みがきなどによって歯肉が下がる、つまり退縮してしまうことが原因で起こります。このような状態から、歯肉の見た目を回復するために、歯肉の再生治療があります。歯肉の再生治療の中でも、今回は歯肉移植法をふたつご紹介します。

ひとつ目は、遊離歯肉移植(FGG:Free Gingival Graft)です。これは、主に上あごの内側の歯肉を採取し、歯肉が痩せてしまっている部位に移植する方法です。歯肉は表面にある上皮組織と、内部の結合組織からできていますが、FGGではこの両方を採取し、歯肉が退縮している部分に移植します。移植から1、2週間で抜糸をして、数か月で定着します。
歯肉が減少している部分の見た目の改善はもちろん、歯肉が整うことで歯みがきもしやすくなります。しかし、別の場所の上皮ごと移植するため、周辺と移植した歯肉の色が合わない場合もあります。また、歯肉が痩せて歯根が露出している場合には適応できないことが多いです。

ふたつ目は、結合組織移植です。こちらは、歯肉の内部にある結合組織のみを切り取って採取し、移植する方法です。移植する先の歯肉の上皮はそのまま使用します。
上あごの歯肉を切開して、上皮をめくり、内部の結合組織のみ切り取ります。そして、移植先の歯肉の上皮も切開し、その内側に採取した結合組織を埋め込んで縫合します。こちらも、移植から1、2週間で抜糸をして、数か月で定着します。 FGGでは適応できない歯根が露出している部分にも適していますし、上皮は移植先のままなので、色味の変化がありません。
ただし、FGGよりも手術の難易度が高く、高度な技術が必要なため、手術を行える歯科医院が限られてしまいます。

歯肉の移植により、見た目を回復させるほかにも、知覚過敏や歯根部分のむし歯を予防するなどの効果が期待できます。昔よりも歯が長く見えている、歯肉が下がった気がするといった方は、一度歯科医院でご相談ください。今回は歯肉の移植についてご紹介しました。

歯科治療で用いられる、歯肉の移植とは?

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