インプラント治療は、人工歯を装着して一通り終了したから、それで安心というわけではありません。
むしろ、歯科医院での治療が終了したところからが、本当のスタートといえます。
いくら歯科医師や歯科衛生士が治療やメインテナンスに力を入れてくれても、患者さん本人が日々のお手入れを怠っているとインプラントは早い段階で抜け落ちてしまうことにもなりかねません。これを防ぐために自分でできることは、毎日のブラッシングを丁寧にしっかり行うことです。
インプラントの寿命を10年、20年と延ばすために、日常のお手入れは正しく実践しましょう。
歯垢はわずかな歯のすき間にも侵入し、そこに細菌が繁はんしょく殖してしまいます。歯間ブラシやデンタルリンス、デンタルフロスなどの便利な補助清掃グッズを使って、歯ブラシの届かない歯と歯のすき間などもしっかり汚れを落として清掃しましょう。
■歯間ブラシ
持ち手に棒状に固定してあるナイロンやゴム製の小さなブラシ。鉛筆のように持ち、歯のすき間にゆっくり挿入して抜く動作を繰り返して汚れを除去します。洗って何度も使えますが、毛先がボサボサになってきたら新しいものへ交換しましょう。ブラシの大きさなど歯のすき間に合わせて選びます。
■デンタルフロス
細いナイロン糸を束ねたもの。歯と歯のすき間にすべりこませて、汚れをかき出します。
糸だけの糸巻き型や、柄のついたホルダー型などの種類があります。
■デンタルリンス
薬用成分を含むものと含まないものがあり、さらに使用方法の違いから、歯ブラシを併用する「液体歯磨き」と、口腔内をすすぐだけの「洗口液」に大別されます。●使用方法・液体歯磨き…適量を口に含み、すすいでブラッシングします。その後、水でのうがいを行います。・洗口液…適量を口に含み、すすいだあと吐き出します。ブラッシングは不要です。