歯の仕組み・役割を知っていますか?
歯を形成している組織の働きとは。
歯はものを噛んで食べるための身からだ体の器官の一つで、観察すると1本1本にしっかり噛むための仕組みが備わっています。
その成分は硬組織のエナメル質、象牙質、セメント質、そして歯の神経と呼ばれる軟組織の歯髄、これら四つの層で構成されています。
外から見える歯冠部はツルツルしたエナメル質でおおわれ、手足の骨より硬く丈夫です。
歯茎に隠れている歯根部はやや弾力がある象牙質で形成され、内部は象牙細管という無数の管が歯髄に向かって放射状に延びています。
歯髄から歯に栄養を届ける重要な管なので、歯髄を除去すると、栄養不足で象牙質はもろくなってしまいます。
それぞれの歯の役割と歯を失ったときの影響
永久歯は6歳頃から生え始め、11〜13歳ですべて揃います。
歯の種類は、前歯と呼ばれる「切せっ歯し」と「犬けん歯し」、そして奥歯と呼ばれる「臼きゅうし歯」と大きく三つに分けられます。
これらの歯はそれぞれ異なる役割を持って食べ物の消化を助けます。
■切歯の役割
上下を噛み合わせ、ハサミのように食べ物を噛み切って大きく切り分けます。
野菜や薄く切ってあるものなど比較的少ない力で噛むときに対応する歯です。
■犬歯の役割
食べ物をやや細かく切り裂くときに使われます。
一番強く安定しているので、肉や根菜などの硬いものに対応しやすい歯です。
■臼歯の役割
小臼歯と大臼歯に分かれ、小臼歯はすぐ手前の犬歯を補助して食べ物を切り裂きます。
奥にある大臼歯は食べ物を細かく噛み砕いたり、すり潰すのに使われるほか、
噛み合わせを安定させる役目も担っています。
すべての歯には食べ物を噛むことのほかに、必要不可欠な機能が備わっており、身体をサポートしています。
例えば前歯は唇や舌と同じように発音を助ける役目があります。
そのため歯が抜けると空気がもれて明瞭な発音ができなくなります。
奥歯は顔の輪りん郭かく形成や姿勢にも関わっていて、歯並びや噛み合わせが悪いだけでも唇や顔全体の形、姿勢にまで歪みが生じることがあります。
また、1本でも歯を失うことで、周辺の歯に負担がかかりますし、
放置すれば次第に噛み合わせがずれ、噛む力が激減する恐れもあります。
すると、首や頭部に至る筋肉の収縮バランスも崩れ、
頭痛や肩こりなどさまざまな不具合の原因になるともいわれています。
歯がぐらつく前に定期的な検診を心がけ、歯を失った場合は、早期に治療を行うなど健康維持に努めましょう。
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