治療内容を入念に選び、まずは書類を作成。

カウンセリングと精密検査をひと通り行ったあと、その結果に基づいた治療計画が担当医から提案されます。

インプラント治療は虫歯１本を治療する場合とは異なり、わからないことや不安なことがたくさんあるかと思います。そのため治療内容を書面にまとめた「治療計画書」を作成してくれる歯科医院もあります。

治療計画書には、どの治療をどのように進めていくかを考察し、患者さん側が知りたいことや個人個人に合わせたよりよい治療法について、細かく示しています。

治療計画書を渡されてもその場ですぐに判断をせず一度自宅に持ち帰り熟考したい、または家族など周囲の人とともに検討したい場合は、遠慮をしないで担当医に申し出てください。

インプラントに関する内容がよくわからない状態で、治療を開始することはトラブルのもとです。

その一つに、「期待と違っていた」というものがあります。インプラント治療は「自分の歯とまったく同じに噛める夢の治療」と過度な期待を持つと「思っていた感じと違う」となりかねません。インプラントは非常にすぐれた治療ではありますが、人工物で失った歯を補う治療ですから、１００％自分の歯と同じように機能するというわけにはいきません。あごの骨に直接埋め入れているので、天然の歯のような歯根膜というクッションとなる組織がないため、噛み心地に微妙な差異があるのです。自分の歯とインプラントのこのような違いがあることをきちんと理解したうえで、治療計画を判断して、納得して治療に臨むようにしましょう。

治療に納得したら、同意書を作成。

インプラント治療の説明を受け、その歯科医院で治療を受けることを決めたら、多くの場合、同意書（承諾書）に署名を求められます。これは治療に同意したことを書面で残すもので、記載事項には治療内容や期間、費用の詳細、さらに危険性や合併症、結合しなかった場合の対応や費用、治療後のメインテナンスなどがあります。万一治療中に緊急の処置が必要となったとき、歯科医師の裁量で適切な処置を受けるという内容の承諾を含む場合もありますので、しっかり確認してから署名しましょう。