Dental Treatment Column

歯科治療コラム

虫歯や歯周病がある場合、手術前に治療を済ませておきましょう。

虫歯や歯周病がある場合、手術前に治療を済ませておきましょう。

インプラント手術はお口の環境を整えてから。

検査の結果、お口に虫歯や歯周病が見つかった場合、先にそちらの治療を済ませてからインプラントの手術を行います。これらの疾患が、インプラント治療に支障をきたすことがあるためです。

■インプラント治療予定の歯が虫歯の場合

進行した虫歯があり、抜歯後にインプラント治療を予定している場合、痛みや腫れ、化膿などの急性症状があると麻酔が効きにくく、インプラント治療が行えなくなることがあります。その場合は抜歯することができませんので、まず炎症を抑える治療を先に行うことになります。

症状が落ち着いたあとに抜歯をして、傷口の状態をみながら、当日または回復後にインプラント治療を行います。

■その他の歯が虫歯の場合

インプラント治療を行う予定の、周囲の歯に虫歯がある場合は、患部に汚れがたまりやすく、インプラントの周囲に細菌が感染し、インプラント周囲炎を起こし、せっかく埋めたインプラントが抜け落ちてしまうリスクが高くなります。

インプラント治療予定の近くの歯でも、小さな虫歯の場合は短期間で治療することが可能ですので、インプラント治療と同時に進めることができます。

噛み合わせに影響を及ぼす歯の場合は、先に虫歯治療を済ませ、嚙み合わせを調整したうえで、インプラント治療を進めます。

虫歯や歯周病がある場合、手術前に治療を済ませておきましょう。

インプラントをダメにする怖い歯周病

インプラントは虫歯になることはありませんが、天然の歯の歯周病と同じような症状を引き起こす「インプラント周囲炎」にかかりやすいといわれています。この二つの疾患はともに歯周病菌が関与して発症しますので、お口の中が歯周病にかかったままでインプラントを埋め入れると、歯周病菌が増殖し、インプラント周囲炎を引き起こしてしまいます。

歯周病は虫歯のように1本ずつ感染するのではなく、複数本まとめてかかりやすく、歯茎からあごの骨へ進行します。インプラントを埋め入れた隣りの歯が歯周病の場合、短期間で歯周病菌が感染するといわれていますので、手術前にしっかり歯周病治療を済ませておかなければなりません。

また、治療後のメインテナンスも入念にすることが大切です。日本歯周病学会では、歯周病は生活習慣病の一つで再発しやすい傾向にあるため、歯周病だった方がインプラント治療を受けた場合は、治療後も定期的に細菌検査を行うことを歯科医師に奨励しています。指定された期間に定期検診に通い、きちんと毎日のお手入れを行うことで歯周病を予防しましょう。

虫歯や歯周病がある場合、手術前に治療を済ませておきましょう。

痛みが出にくい、歯周病治療法もあります。

歯周病の治療において、痛いのは仕方ないと思っている方も多いかもしれません。中・重度の場合は歯茎を切開して治療を行うこと(歯周外科)もあります。しかし、最近はさまざまなアプローチで「痛みが出にくい治療」に取り組む歯科医師が増えています。

歯周病の治療で一般的なのが、歯の表面についた歯石を取り除くスケーリングと、歯周ポケットに入り込んだ歯石を除去するルートプレーニングを行う際には、通常麻酔を施してから治療を行いますが、針を刺す部分にあらかじめ表面麻酔を塗ったり、非常に細い針でゆっくり麻酔薬を注入することで痛みを出にくくする電動麻酔器を扱っている医院もあります。

また、投薬など歯周病を改善する「歯周内科治療」もあります。顕微鏡でお口の中の菌の状態を確認して、その菌に合った除菌薬を飲んで、カビ取り剤が配合された歯磨き剤で歯磨きを行い、さらに歯科医院で歯磨きでは落としきれない歯石をクリーニングすることで、菌を減らしていく治療です。

歯周病治療はインプラントを守るだけでなく、患者さん自身の歯を残すためにも重要ですので、あせらずしっかり治しましょう。

虫歯や歯周病がある場合、手術前に治療を済ませておきましょう。

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