局所麻酔で痛みの少ない治療を。

インプラント治療を受けるとき、多くの人が最も気にするのが治療時の痛みのことです。歯茎を切ったり、あごの骨にインプラントを埋めて縫合したりするという外科手術を伴いますから、気になるのも当然といえるでしょう。

インプラントの手術では局所麻酔を施し、麻酔が効いていることを確かめたうえで治療を行いますので、痛みはほとんど感じません。例えれば、抜歯のときの感覚と同程度のものです。インプラント治療を経験した人たちの多くが、歯茎に触られている、あごに何か押しつけられているという程度の感覚で、あっという間に終わったといいます。

心身をリラックスさせ、ストレスを緩和する力

ストレスに弱い人や極度に緊張しやすい人は、居所麻酔をしていて実際に痛みを感じなくても手術への不安感で脳貧血を起こしたり、血圧が急激に上がって気分が悪くなることがまれにあります。

そういう人には、弱い鎮静作用のある薬剤を腕に点滴しながら投与する静脈内鎮静法を併用して、気分をリラックスさせることができます。特に身体への負担が大きいときや、各種骨造成術、治療本数が多く時間がかかる場合などに用いると、患者さんの不安や緊張を取り除けて、よりスムーズに治療が進みます。手術がどうしても不安な方は、担当医に相談してみてください。

安心して任せられる、歯科麻酔科医の存在

「歯科」には歯の治療を行う保存科、ブリッジ科、入れ歯などを専門とする補綴（ほてつ）科、そのほか歯周科、口腔外科、小児歯科、矯正歯科など専門分野がありますが、歯科麻酔科もその一つです。

口腔外科手術時や障害者の全身麻酔や鎮静法を含む患者さんの全身管理、口・顔の痛みの治療のほか、局所麻酔に関する研究なども行っています。

歯科麻酔科医とは、日本歯科麻酔学会の認定を受けた麻酔のエキスパートで、治療を受ける歯科医院に常勤している場合と、手術のときだけほかの医院や大学病院からの要請を受け協力する場合があります。笑気麻酔は吸入を停止すれば鎮静状態から回復するため歯科医師一人で行いますが、鎮静法の場合は全身管理をする歯科麻酔科医と、インプラントを埋め入れる歯科医師がチームを組んで、治療にあたることが多くあります。