歯科で使用するインプラントは、各インプラント製造会社（以下、メーカー）によってさまざまな種類が存在し、世界中で１００種類以上、日本国内では30種類以上が存在するといわれています。
複数あるメーカーの中から、歯科医師が過去の治療データや経験に基づいて選んでいるので、インプラント治療を受ける場合には歯科医院によって使用するインプラントが異なることを知っておきましょう。

使用されるメーカーを把握する意味

インプラントは、メーカーによって規格が異なりますので、基本的には他社の製品と組み合わせて使うことはほとんどありません。
また、同じメーカーであっても、種類や大きさ（あごの骨に埋め入れる部分の直径）などによって規格が異なり、インプラントに附属する部品をつけ外しするために使用する器具もそれに合わせた形になっています。
インプラント治療後のメインテナンスでは人工歯とインプラントを接続するアバットメントを外して掃除をすることがあります。引越しや閉院、転勤などで治療を受けた歯科医院へメインテナンスに通えなくなる際には、同じ規格のインプラントを取り扱っている歯科医院を探さなければなりません。また、外出先など「欠けた」「割れた」「抜けた」など、人工歯やインプラントに何かトラブルが起こって、埋め入れ手術を受けた歯科医院ではないところで緊急処置を受ける必要があった場合も同様です。
治療する器具が合わなければ、すぐに対応してもらえないことがあります。こうしたことから、の種類のインプラントで治療が行われたのかを、患者さん自身が把握しておく必要があります。

治療後に確認しておく項目

治療後、使用したインプラントについて詳細がわかる書類などが渡される場合もありますが、説明がなかったときには、おもに次の項目について確認し、忘れないようにきちんとメモを残しておきましょう。
１、インプラントのメーカー名
２、種類
３、大きさ（直径）
４、医療機関名（歯科医院名、大
　　学病院名）
５、埋め入れた日付
近年では、一人の患者さんに対して、単一のインプラントだけで治療を行うのではなく、治療する部分に応じて違ったインプラントを選択し、治療を行う場合もありますので、お口の中の一つひとつのインプラントについて把握することが大切です。