深井 克彦 先生
最終学歴:日本大学大学院
卒業年度:1991年
私の父は歯科医師で、東京の荒川で40年以上歯科医院をやっており、地域の歯科医師会の会長を務めたこともある名士なのです。
私も同じ歯科医師となり同じ地域に開業してみて、地域の歯科医師会に加入し先輩の先生方や知り合いの方々から父に対する話を聞くにつれて、家庭内では見られない外での姿が分かりました。正直『親父はすごいな、がんばってきたんだな』ということを知らされました。昭和40年代初期では私は小学校の低学年で、その当時毎年正月に越後湯沢にスキーに3日間くらい行っていました。
父はスキーを全くやらなかったのにもかかわらず、子供たちのために行っていたのです。
ある時、宿の親族の方が寝込んでいて父に様態を診てほしいと、歯科医師ということを知っていて頼んできました。
快く様態を診ていたのを今でも鮮明に覚えています。
その時に『すごいな、病気も診ることも出来るのだなと思っていました。
歯の治療だけでなく救急の患者さんの場合に対処が出来ることがすごいことだと思えたからです。日々の臨床の中で医科的な治療は行うことはないですが、口腔内の治療を行う上で、全身的体調、特徴、傾向が分かっている上で歯科治療をする方がより信頼性の高い治療結果になると言われています。
また、全身と咬合とも密接な関係があることはすでに言われており、全身の状態を把握する必要はあるし、それに対する知識も持っている必要があるのです。現在の状況からは、我々歯科医師も口腔内だけでなく全身との関わりの中で歯科疾患を治療する態度が必要となってきています。
私が全身と咬合という関わりを早くから歯科治療に取り入れているのは、小学校の頃の父の姿を見ていたからかもしれません。
私の場合は全身の筋肉のバランス、体の動かし方や使い方、日常習慣にしている事柄を重視し歯科治療の内容に反映させるようにしています。